ところかわれば
更新日:8月31日

2024年10月22日付の陸奥新報「望遠郷」に掲載されたエッセイです。
ベルリンで教えていたピアノの生徒のコンフィルマツィオンに招かれ、14歳の生徒が大人たちと乾杯する姿に驚いた文化体験を綴りました。
ドイツでは、驚くことに公共の場でも14歳以上で親権者が同伴していれば、ビールやワインなどを飲むことが認められているのです😳。ところかわれば、ですね。
陸奥新報「望遠郷」第3回 ところかわれば
(2024年10月22日掲載)
毎年9月下旬から10月上旬の2週間、バイエルン州の州都ミュンヘンではビールの祭典が行われる。この時期になると日本のメディアを通して、ディアンドル(Dirndl)という伝統衣装を着衣した若い女性たちが、1リットルのビールジョッキを両手一杯に持って客に振る舞う姿を見かけることも多いのでは。ミュンヘンほどではないにしろ、私が住んでいたベルリンでもその時期になると、市内のビアガーデンではたくさんの地元の人たちで盛り上がりを見せ、ビールを片手にプレッツェルというリボンのような形状のパンやソーセージを食べている姿をよく見かけた。ところで日本人はアルコールに弱いか全く飲めない体質の人も多いけれど、ドイツ人はイメージ通りアルコールには強い人が多い。ビールはジュースのような扱いで、ワインやシャンペンなどを事あるごとに飲んでは楽しんでいる。
アルコールで思い出すのは、ベルリンで教えていた時の生徒さんのキリスト教の祝い事に招待された際のイベントでの出来事だ。その生徒さんは14歳でプロテスタントの成人式であるKonfirmation(コンフィルマツィオン)という儀式を迎えた。このプロテスタントの成人式は14歳で迎えることとなるのだが、儀式を迎える一年前から子どもたちは教会に通い、牧師さんと同じ年齢の他の子どもたちと一緒に様々な事を勉強する。グループで学ぶことで、協調性や助け合いの精神を学びながら自らの信仰心を強めていく。このような学びを思春期にすることが関係しているのか、ドイツ人は自分と全く関係のない人、例えば道で困っている人などをさりげなく助ける人が多い。さてその教会での儀式が終わると、生徒さんのご両親は自宅の庭にテントを立てて親戚友達一同を招待してお祝いのパーティーを催した。そのお祝いの席に私も招待されたわけだけれど驚きの場面を目撃してしまった。シャンペンで皆が乾杯する場面で14歳の生徒さんがなんと、大人と一緒に乾杯していたのだ!それを見た私はびっくり仰天で相当なカルチャーショックを受けたことを覚えている。何やらドイツでは、ビールやワイン、シャンペンなどのアルコール度数の低いものであれば、親か親戚同伴ならば14歳から合法的にアルコールを飲んでも良いことになっているらしい。ちなみに親の同伴なしの場面では上記のアルコールならば16歳からの解禁となる。このような説明を受け納得はしたものの、本当に大丈夫なのかなぁ?と生徒さんの様子を伺っていると、私なんかよりたくさん飲んでいるにもかかわらず、全く顔も赤くならず平然としている。それを見た日には全く飲めない体質の自分が恨めしくなった。私ももっとドイツビールを楽しみたかったなぁ。
補足 (2026年8月追記): ドイツでは、公共の場でも14歳以上で親権者が同伴している場合には、ビールやワイン、スパークリングワインなどを飲むことが認められています。また親権者の同伴がない場合、これらの飲料は16歳から認められています。





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