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楽譜の「少し先」を見ると、音楽が流れ始める

9月4日
読了時間: 2分

更新日:9月5日

ピアノと運転、目線を先に置くことの大切さを描いたイラスト


目線を、少し先に置く


先日のレッスンで、ちょっと嬉しい発見がありました。

大人の生徒さんが挑戦しているのは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番《悲愴》第2楽章。

冒頭8小節の中で、右手の低い音域に現れる16分音符の動きが、どうしても滑らかに流れません。レッスンのたびに、二人で首をひねっていました。


そんなとき、ふと思い出したのが、最近見ていた運転の解説動画でした。

月末に旅行があり、久しぶりの運転に備えて、こっそり予習していたんです。

動画の中で紹介されていたのが、


「目線は、進行方向の少し先に向けること」


というアドバイスでした。


それを聞いた瞬間、

「これ、ピアノと同じかも!」

とピンときたのです。笑


運転では、近くばかりを見ていると、目の前の車の動きにその都度合わせようとして、ハンドルの修正が細かくなったり、車体がふらつきやすくなったりするそうです。


一方、視線を進行方向の少し先に置くと、これから進む道筋を捉えやすくなり、直進するときも、右左折するときも、操作が滑らかで安定しやすくなります。


運転の話を聞いているはずなのに、ピアノの演奏にも当てはまることが、とても多いのです。


一つひとつの音を必死に追いかけるのではなく、そのフレーズがどこへ向かって流れているのかを見る。


音楽には、一つのまとまりの終わりという短いゴールもあれば、曲全体を見渡した先にある長いゴールもあります。目の前の音だけでなく、その先にある目的地へ意識を向けると、指の動きも自然にまとまりやすくなるんですよね。


さっそくレッスンでこの話をしてみると、生徒さんも、

「その例え、よくわかります!」

と、とても共感してくださいました。


そして、フレーズの行き先へ意識を向けて、もう一度弾いてみると

あの冒頭8小節が、驚くほど滑らかに流れるようになったのです。


音楽も運転も、大切なのは「近く」だけでなく、「少し先」に意識を向けること。


もし今、難しいフレーズの途中で立ち止まっているとしたら、一度、その先のゴールへ目線を送ってみてください。


きっと、その先にある音楽が、指を連れていってくれます。

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